Posted 2026.03.06 SPECIAL TALK【VOL.02】松居大悟 × 玉置玲央 × 鳥越裕貴
松居 この間の『さらば黄昏』(25年)のとき、一緒になったけど、まことさんに挨拶してね。
鳥越 はい。『ポルノ』も刺激的な展開に、日常的な共感できる部分がパッと入ってくるので、「なんなんだろう、この感じは?」と思います。終盤のくだりとか……。感情の切り取り方に「ホンマにありそうやな」と共感できる部分があって笑えるんですよね。(長塚)圭史さんが演じた役を演じられるのも楽しみで、今は初演の映像を観たほうがいいのか、迷っていて。
松居 どっちでもいいけど、引っ張られるなら観ないほうがいいかも。観ても「自分はこうしよう」と思えるなら、観ていいと思うし。
鳥越 そこも選びつつやりたいですね。新海くんにも愛着が湧いてきています。
松居 玲央先輩との絡みもあるしね。
鳥越 そうなんですよ。
玉置 初演を観たことは自分の中で素敵な思い出、原体験になっているけど、冷静に考えると、それってみんなには関係ないじゃない? だから勝手にエモくならないように気をつけなきゃなとは思ってる。ひとりでエモくなっているのがいちばんキツいんで。そこは意図して気をつけたい。
松居 あとは、単純に答え合わせがしたくて作るわけじゃないということもある。
玉置 初演とは関係なく、この現場、このメンバーで、今できる面白いものを精一杯作りたい。という気持ちでね。
松居 そう。スタートのきっかけをくれた劇ではあるけど、それは一度置いておいてね。
玉置 ただ、16年の『イヌの日』も含め、演劇に触れている時間が長くなった今、『ポルノ』をやるうえでは、これまでの経験が与える影響は絶対あるでしょうね。舞台との距離……趣味とは言わないまでも、まだ食えなかった頃と、仕事として捉えるようになった今とでは、だんだん自分の中で演劇の形や価値が変わっていっている。それは絶対的に影響として表れるだろうな、と。
松居 僕は玲央と比べたら、そんなに舞台のキャリアがあるわけではないし、年に1回、劇団公演をやるくらいで。だから、みんなと話し合っていきたいけど、演劇に関しては新人の気持ちで。むしろ鳥越のほうがたくさんやっていると思うし。
鳥越 いや、そんなことないですよ。
玉置 ありがたいことにキャリアを積み重ねてこられた中で思うのは……、演劇についても、いろいろな価値観があると思うんです。たとえば多くの方が観てくれて実入りがいいのをよしとするとか。でも結局のところ、クリエイション、共演者や制作との関係、お客さまの満足、興行としての成功……、すべてを含めて納得のいく公演は限られている。それはジレンマでもあって。そこにも慣れてしまって、「完全に満足できることなんてないんだな」と諦めて、舞台に立ってしまっている節もある。でも、完全に満足できるものを、諦めずに狙っていいと思うし、狙わないと手に入らないですから。『ポルノ』は僕らの原体験でもあるし、プロデューサーを含めた事務所の同期3人の企画でかつ、鳥越も参加するので。ちゃんと満足できるものを狙いたいとは、キャリアを重ねてるからこそ思います。

