2026.03.14 SPECIAL TALK 松居大悟 × 玉置玲央 × 鳥越裕貴【VOL.04】
作家、演出家、俳優、スタッフ……。ゴーチ・ブラザーズに縁の深いカンパニーが取り組む舞台『ポルノ』のクリエイション。同じ事務所に所属し、かねてから『ポルノ』の上演に意欲を抱いてきた松居、玉置。そこに新たに加わった鳥越の3人が集結。同期、先輩、後輩――それぞれの視点から、作品とカンパニーへの思いを語り合った。
第4回 受け継ぐ衝撃、更新する表現
第4回のテーマは、松居が考えるこれから始まる稽古への展望、『ポルノ』を上演することへの周囲からの声と、上演にあたって玉置が抱いている「野望」を語る。
玉置 この作品は、ベースとしてふたりのシーンが多いよね。
松居 玲央たちとやった『イヌの日』(16年)だと、後半は人数がどんどん増えていくけれど。『ポルノ』は少ない人数の芝居が多いから、作品のムードは稽古の前半で作って共有したほうがいいと思ってる。
玉置 それぞれがちゃんと作品全体を認識してね。
松居 そう。「自分のブロックだけでいい」となったら、作品のムードはよくならないから。バトンを渡し合って、つないでいければ。せっかく皆さんとはいろんな縁があるし。
鳥越 僕はご一緒したのは(藤谷)理子ちゃんだけで、あとは皆さん、初めましてですね。
玉置 じゃあ、初めましての人と結構、密なやりとりをすることになるね。僕はあっちゃん(前田敦子)と今回で3回目というのが安心材料なんですよ。人柄もわかってるし、どういうことを面白いと思うのか、価値観もなんとなくわかっているから。僕はそういうのを存分に利用しないと楽しめないタイプなんで。
松居 個人的には作品のパワーが届きやすい形にしたい。停滞して、作品としての衝撃が緩くなるのは嫌だし、刺すような痛みを残しながら終演したほうがいいと思うので。あとは初演を観た方の期待には応えたいですけど(笑)、自分たちなりの正解は出したい。
玉置 最近はありがたいことに『朝日のような夕日をつれて』とか、再演作品に出演することが増えたけど、そういうときってちょっとオールドファンのことが頭をよぎるんですよ。10代、20代に演劇少年少女だった人たちが、50代になった今、観に来られていて。いい意味でですけど「君たちはどういうものを見せてくれるんだ?」というスタンスでいるのが伝わってくるんですよ(笑)。
鳥越 それは客席で感じました(笑)。でも総じて楽しんでいらっしゃいましたよ。「なつかしいね〜」って。
玉置 今回もそうなるといいよね。
鳥越 それこそ僕も、俳優の先輩に「『ポルノ』やるの?」と聞かれますし、そこからも「愛されていた作品なんだな」と知れました。だから全力で取り組みたいですね。
玉置 そういえば、温水洋一さんにも「『ポルノ』やるんでしょう?」と言われたな。
松居 でも、メインビジュアルがXに載せられなくなったみたいで。
玉置 タイトルも相まって、センシティブ認定されたって(笑)。ビジュアルにボカシがかかって、逆に引きはあるかもしれないけど。『ポルノ』に出演するんですけど、鳥越さんは大丈夫ですか?
鳥越 ワクワクします!(笑)。
玉置 『極めてやわらかい道』のときもそうだけど、そのうち大悟は、鳥越ファンにマークされるんじゃない?
鳥越 「変なところに連れていかないで!」と(笑)。でも、そういうもののほうが来ていただけると思うし、楽しんでいただけると思います。今回は高校生に向けて無料シートもあると聞きましたが、初めて触れてみることで「自分はこういうものが好きなんだ」と知れることもあるでしょうし、今、ここでしか観られない生の劇空間を、劇場の客席で体感してもらえたらうれしいですね。
玉置 じゃあ最後に……、今僕は犬を飼っていて、この間、散歩していたら、エントランスが道路から高くなっているマンションがあって。そこに別の犬がいるのをうちの犬が見つけて、走って近寄ったら、相手の犬が上の手すりの間から顔を出して。で、それを見た向こうの飼い主さんが「『ロミオとジュリエット』みたいですね」と言ったんですよ。犬同士の姿を見て、400年以上前のイギリスの戯曲みたいって令和の日本人が言うって、とてつもないことじゃないですか。それを聞いて、『ポルノ』もそういう作品にしたいと思ったし、それだけ心に残り続ける場面を生み出せるような俳優でありたいと思っています。
(終わり)


